単勝馬券の最高倍率と最低倍率はどれ位と気になっていますか?
単勝オッズはレースが始まる直前に確定され、それを基に的中した後の払い戻し金額を我々は推測していきます。競馬とオッズは切り離せない関係にあるもので、単勝馬券のオッズは皆さんがレース前に必ずチェックする気になる点です。
という訳でこの記事では、過去に本当にあった最高倍率と最低倍率について紹介していきたいと思います。他にも単勝オッズが決まる過程など、オッズに関する気になる点も合わせて紹介していきます。
単勝馬券の最高倍率と最低倍率を紹介
さて、それでは早速ではありますが、これまでの競馬の歴史上単勝馬券の最高倍率と最低倍率を紹介していきたいと思います。
最高倍率は569.4倍
JRAの長い歴史上、単勝馬券の最高倍率は569.4倍です。2014年4月26日に開催された福島5日8Rで開催された4歳以上500万円以下の芝1200m。1着になった馬はリバティーホールという馬で、16頭立ての16番人気ながら見事に1着。払い戻し金額は単勝史上最高額となる56940円となりました。
これを見てもらえれば分かる通り、これまでの長い歴史で単勝馬券による100円が10万円になる馬券はこれまで一度も出ていません。最高額が569.4倍となっています。
ちなみに2位は1955年に開催された3回阪神3日6Rアラブ系4歳以上オープンの芝2,000メートルのレースで、1着に輝いたのは8頭立て8番人気のタチバナヒメという馬でした。倍率は558.7倍となっています。
3位以下も1961年、1980年、1957年と続いていくように、基本的には単勝馬券のランキングは昔のものが多く残っています。いかに1着に輝いた最高額単勝馬券が異質でとんでもない記録なのかという事が分かるかと思います。
最低倍率は1.0倍
単勝馬券の最高倍率は上記で紹介させてもらいましたが、それでは反対に最低倍率はどれ位なのか。答えは1.0倍です。
えっ…どういう事?と思っている方も多いと思いますので説明しまいました。単勝倍率1.0倍とは元返しと言われているもので、単勝オッズ1.0倍の馬に賭けて勝利したとしても賭けたお金がそのまま返ってくるだけ。1ミリも旨味がなく、ただただ損をするリスクがあるだけという状態です。
そんな摩訶不思議な事が起きるレースは実際にあります。有名な所で言えば菊花賞に出走した時にディープインパクト。
ディープインパクトは2005年の菊花賞で無敗の三冠を達成しましたが、そのレースが有名な単勝オッズ1.0倍となり、支持率は脅威の79%という結果に。単勝だけでなく当然ですが複勝馬券も1.0倍の元返しとなりました。
この支持率79%は驚異的な数字であり、これは1963年のメイズイの83%に次ぐ結果となっており、昔の競馬に比べて強い馬が複数いる現代競馬においては正に異例中の異例の数字であるという事が分かるかと思います。
ちなみにこのレースでディープインパクトは21年ぶり無敗の三冠馬に輝くわけですけども、もしもこのレースでディープインパクトが飛んでいたらと考えると末恐ろしい気持ちになってきますね。
1.0倍の100円元返しとは
上記でも紹介したように単勝オッズ1.0倍の時は、100円賭けて的中しても100円が戻ってくるだけです。これを専門用語で100円元返しと言います。
オッズや払い戻し金の表示、JRAプラス10による上乗せなど、JRAの公式で紹介されていることを簡単に説明していきます。
100円元返しは10円プラスされて払い戻し
JRAプラス10という取り組みを知っていますか?100円賭けて100円がそのまま戻ってくる単勝オッズ1.0倍の100円元返しですが、以下のような取り組みをJRAは見せているんです。
「JRAプラス10」とは、「すべてのレース」・「すべての投票法」で「通常の払戻金が『100円元返し』になる場合に、10円を上乗せして110円で払戻す」ことを言います。
注記:特定の馬番号・組番号に特に著しく人気が集中した場合には、競馬法の規定により「100円元返し」となる場合があります。
100円賭けて100円戻ってくるオッズ1.0倍はさすがにかわいそうという事なのでしょうか。JRAが自腹で10円を上乗せしてくれます。当然1000円賭けていたら1100円の払い戻しになるという訳です。
オッズ・払戻金の表示は?
通常の払戻金では「100円」であっても、JRAプラス10によって「110円」となる場合には、オッズ、払戻金は、10円上乗せ分を含む「1.1倍」「110円」で表示いたしますのでご注意ください。注記:通常の払戻金で「110円」となる場合も同様に「1.1倍」「110円」で表示いたします。
表示は1.1倍、110円という表記になります。
特定の馬番号・組番号に特に著しく人気が集中した場合、「100円元返し」となる可能性がございます。
注記:投票法ごとの「払戻金総額」と、「上乗せすべき金額の総額」の合計が「売得金の総額」を超える場合には、競馬法附則第5条第3項の規定により、「100円元返し」となります(この場合には、オッズ、払戻金は「1.0倍」「100円」で表示いたします。)
しかし、このように記載している通り、どうしても100円元返しになってしまうというケースもあるんだとか。これはJRAの判断に委ねるしかありません。
これまでのJRAプラス10の実績
滅多に起こらない100円元返しですが、毎週競馬を開催して長い歴史を持つJRAでは度々JRAプラス10を実施しています。単勝オッズは少なくとも複勝では割と1.0倍になる事が多いんですね。
- 2019年⇒661件 5件 652件 4件 0件 約33.1億円 55件
- 2018年⇒687件 8件 667件 12件 0件 約33.7億円 74件
- 2017年⇒658件 4件 641件 13件 0件 約30.2億円 49件
- 2016年⇒600件 6件 593件 1件 0件 約27.2億円 53件
- 2015年⇒506件 1件 503件 2件 0件 約18.6億円 44件
- 2014年⇒485件 2件 482件 1件 0件 約23.6億円 39件
- 2013年⇒435件 0件 434件 1件 0件 約18.7億円 35件
- 2012年⇒425件 0件 423件 2件 0件 約17.4億円 34件
- 2011年⇒501件 3件 492件 6件 0件 約18.3億円 60件
- 2010年⇒482件 1件 477件 4件 0件 約16億円 38件
- 2009年⇒517件 2件 512件 3件 0件 約17.4億円 38件
- 2008年⇒499件 2件 493件 4件 0件 約12億円 38件
発生件数、単勝、複勝、ワイド、その他の投票法、上乗せ合計金額、100円元返し件数という順番になっています。
最も多いのが複勝で去年は652件。単勝は去年は5件でワイドは4件という結果に。上乗せ額は少ないものの、合計金額は毎年10億円を越えていて去年は30億円を越えるという結果になっています。
オッズが最低の1.0倍であってもプラス10という制度があるので、的中しても全く得をしないという事はないようになっています。
まとめ
単勝馬券の最高と最低、最低倍率の時の救済処置として誕生したJRAプラス10について紹介してきましたが参考になりましたか?
最低倍率の1.0倍は有名所でいくとディープインパクトですが、重賞では滅多に見れないだけで他のレースでは度々見る事ができます。今後単勝馬券の10万馬券は現れるのでしょうか?
そういった楽しみ方ができるのも競馬の面白い所です!